ISOとICTの二つのシステム

-効率的で有効性の高い戦略的な運営管理を目指すために-

 組織を取巻く多様化したニーズと厳しい環境と不確実性の中、組織がこれからも継続的に発展を続けてゆくには、よい製品を提供できる現場力と、目的指向の戦略的な運営管理ができる組織力が必要である。
 この二つの力は相互に関係して組織を成長させるが、現場力に比べて運営管理のための組織力が不十分であり、そのために組織競争力の有効性が図れていない組織が多い。
組織力を効果的に、かつ効率的に強化してゆくシステム化について考えてみる。
まず現場力と組織力の意図するものを明確にしてみる。

ニーズを満たした高品質で競争力のある価格で製品やサービスが提供できる現場力
現場力は製品実現の力そのものといえる。具体的的には組織が要求される多様化し高度化されたニーズを明示された製品要求として適切に変換でき、コアコンピタンスを活用して製品を設計・開発し、正しくミニマムのコストでで製造、販売できる力である。
生産システムの改善と効率化を図り、魅力的な製品やサービスを開発し提供できる現場力のスパイラルアップは、競争力を向上し維持するためには絶対条件である。
多くの組織においては現場力の重要性は認識され、この現場力を充実させ更に高度化させるためにたゆまない改善が進められている。
この力がグローバルな競争社会において、モノづくり日本としての優位性を保持しているといえる。
組織全体の情報を含む運営管理を効果的に実施できる組織力
マネジメントを効果的に実施した結果の評価が組織力といえる。
組織力は、組織が目指している目的に対して高い成果を得るために、適切で効率の良い運営管理ができる力である。
良い運営管理の結果は組織における各プロセスの目的にあった効率的な活動によって得られ、その仕組にはニーズや管理のための情報を収集、分析する力が必要である。
組織で働く人々及び取巻く利害関係者の多様化したニーズを満たして、強い現場力を生みだす背景にはこの組織力が必要であり、この力は活性化した改善意識の高い組織風土を育成する源でもある。

 組織力のプロセスには経営層を含む管理部門と組織に関わる情報を収集、分析、検討、展開を行なっている間接部門が中心となる。しかし組織を最適に体系化して効果的に効率的に運営管理している事例は多くはない。
旧態然とした組織体系と改善が行なわれていない管理手法は非効率で正確性が不足していて、かつ各プロセスの監視・測定も十分になされていない現状では、問題となるべき項目すら認識されていないケースも多い。
 また製品実現プロセスに直接関連していない間接部門は、目的及び成果が見えないために手段が目的化して、非効率で形骸化した管理が蔓延り肥大化して現場部門を上回っている傾向がある。
 いまやかってない厳しい競争の時代に入り、組織が生き残ってゆくためには、組織力の強化には運営管理の中心となる間接部門を含めた管理部門の最適化が必要絶対条件となる。
 この組織力の最適化を図ってゆくためのキーワードがISO(International Organization for Standardization)システムとICT(Information and Communication Technology)システムであると考える。

ISOの大きな目的は組織体系の最適化
ISOを導入する目的は規格要求事項の尺度を使って、組織の最適化を図ることにある。単に現状で運営管理している仕組を評価せず、規格要求事項に合わせて再規定し運用するだけでは、システム導入、認証を行なっても組織にとっては何の付加価値も生じない。
ICTは情報を使って効率的にかつ正確に管理し運営すること
ICTは最適に体系化された仕組を情報を中心として効率的に管理してゆくことにあるが、要求内容が短絡的でプロセスの相互関係を考慮されていない分断したICTのシステムは、管理の効率と精度を上げているとは言い難い。

このISOとICTのシステムは相互に深い関係にあり、組織力を最大限に発揮するためのには、ISOシステムによって管理運営すべき体系が最適化されて明確になっていないと、実際に管理するICTシステムは効果を得ることはできない。
 また必要なコミュニケーションや情報を最適に伝達し理解できるリテラシーやシステムを持っていないと、最適化された組織体系は構築できない。
生産システムやマーケッティング及び人材育成などの組織の中核となるプロセスについては問題点が認識され、改善が継続的に進められ、その議論や方法論及び手法について多く語られているが、このプロセスを効果的に生みだす運営管理に関する具体的な議論や手法に関しては、概念的なものが多く具体性が不足しているものが多い。
 組織ではこのISOシステムとICTシステムを相互に最適化することにより運営管理のコストを最小限して、最大限の組織力を発揮させることが可能になる。
現実にはこの二つのシステムの相互の最適化を実施している組織は少なく、別々の部門で構築され互いが何かが不足し、効率的で有効性の高い組織力としている組織は少ない。
 この組織力を強め生産体制を推し進める、組織体系と運営管理の最適を目指したシステム化について焦点を絞って組織のあるべき姿の方法について述べてみたい。

はじめに
組織にとってなぜ二つのシステムが重要なのか
いまの組織と社会環境を考える
今まででは考えられないような、厳しい環境に組織が対応してゆく道筋は
組織が継続的に発展してゆくには
組織が生き残ってゆくためになすべきこと
管理するシステムが勝敗を決める
直間比率を変えて、リソースを再配置して組織競争力を最大限にする
組織システム化と運営管理システム化が重要
いかに有効性の高い体系を作り、効率の高いシステムで管理する
ISOとICTの問題点
中心的役割を担うはずのシステムが問題だらけ
二つのシステムのコラボレーション
マネジメントと管理との仕組を融合させ有効化させる
システムの最適化
最大限に効率化させ管理コストをミニマム化させるか
システム化事例での解決策
具体的な実施事例で解決策を考える
これからの道筋
”見える化”で変わってゆく組織体質
あとがき
雑感