オフィスの見える化

最近は企業で会社の移転が多い
厳しい人材確保のためにはオフィス環境、働く空間が重要になる
価値観が違い、賃金だけが決める要因ではなく、駅から近い、周辺の環境、そしてオフィスの環境が決め手になることが多い

また、訪問者に会社のイメージを伝えるエントランスも重要になる
以前は顧客が訪問する可能性のある企業はそれなりのエントランスを持っていたが
従業員や関係取引先だけが訪問する企業はあっさりしたエントランスが多かった

しかし、企業のイメージはエントランスでかなり大きく印象が変わる
特に採用者、供給者、取引先は企業の姿勢をエントランスで判断することが多い

エントランスにはこの企業がどのような理念で、何を目的に活動しているかを見せる必要がある
ただ、パネルや仕事の内容を掲示しても意味はない
そこには魅力的な企業で、開かれて、ブラックでないことのアピールが必要になる
エントランスでオフィスの見える化をすることで、企業の姿勢や社会環境が変るかもしれない

設計における設計業務の”見える化”

設計業務における図面作成の状況は効率的にかつ的確に実施されているかを管理するには難しい面が多くある
知的生産業務は一般の生産とは違い、そのアウトプットの価値がなかなか評価できない
特に途中段階における管理は本人からの報告に頼っているのが実情ではないか
管理して問題があれば、問題を解決してゆくそのプロセスを”見える化”して、
設計者から自律的な活動を引き出すためには”設計業務の見える化”が不可欠である
思いつくままに具体例メモを列記する

  • 設計業務のシステム化、文書化ができているか・・・・暗黙知が形式知になっているか、個人プレーではないのか
  • 設計の要求品質が明確に文書化されているか・・・設計には無数の要求品質がある、それが重要度に応じて明確になっているか
  • 摺り合わせの重要性
  • 検討における専門家によるコミュニケーション
  • 予防処置をシステム的に実施する
  • 打合せ会議の効率化
  • DR1、DR2等の会議は束縛され、会議での実りが少ない、他人任せになる
  • ITを使ったオープンコミュニケーションにより効率化を図る
  • 問題点、聞きたいこと、確認したいこと、明確にするテンプレート

その詳細はその都度整理し追記をしてゆく

新しい品質管理活動の動き

日本における産業界の品質管理活動は1970年代から盛んになったQC活動によって、世界に冠たるメイドインジャパンを確立した
その活動は全員参加による統計的な手法を活用した改善活動であったが、現場第一線が主体であり、日本独特の強い現場力の基礎を構築した
しかしながら組織管理者及び経営者に対しての管理活動は方針管理手法などが存在したが、形骸化が激しく実にあるものとはなり得なかった
経営者は第一線が活動しておれば良いという考えが主流であり、多くはボトムアップの御輿経営に甘んじていた
品質管理活動はQCからTQCと変わってきても、活動内容はさほど変わらず、デミング賞の受賞のために大手組織はコストと人をつぎ込んだ
これらの活動によって品質管理とは何かという基礎が構築されたが、あまりにやらせ要素の強いQCサークルや診断のために、活動を停滞させたり停止する組織が多くなった
現場第一線は活動していても管理者や経営トップは具体的な活動に見切りを付けていた危機感からTQCはTQMと名前を変更して、新しいマネジメントの活動に変化させようと試みたが、今までの活動の整合性とマネジメント実施活動がスローガン的な手法のため活性化することにはなり得なかった


TQMに名称が変更された1995年頃から、海外進出している組織を中心に品質保証の規格ISO9001:1994が日本でも導入が盛んになってきた
ISOのマネジメントシステムはTQMと目指している方向は同じであるが、その方法が異なっている
TQMは製品品質を改善してゆく活動である、そのための多くのツールがあり継続的に製品や生産体制を改善してゆく
ISOは組織管理を体系的に構築して、組織管理活動の改善を目指している、その手法については要求事項にはなっておらず、組織が組織管理をするために必要な事項を”しなければならない(~Shall)”と規定している
組織管理であるから管理者や経営者が主体となって実施するトップダウンの仕組みといえる
ISOも世界的グローバルに活動する組織にとっては認証が条件となってきた
また日本においても官庁を中心に入札条件しようとする動きがあり、建設業界を中心に産業界においても急速に広がった
しかしISOも規格を中心とした認証は不要な文書化を増大させてしまった
当時のISO推進者やコンサルタントは規格を知っているが、組織経営を知っている人材は少なく、何でもかんでも記録と文書化を強要し形式化した仕組みを要求した
1994版の規格の内容にも問題があり2000版では大幅な変更があり、効率的で有効性の高いシステム構築を目指す内容となった
2008版ではさらにその考えが整理されパフォーマンス向上を目指す新しい規格への石杖となってきた
しかし、1994版時代のISOバルブは力量の不足した審査員やコンサルタントにより、多くの組織で無意味な文書化や記録の増大による書類の氾濫と、構築した仕組みの形骸化を招いて、多くの組織がISO認証を辞退することを招いた


品質管理活動を振り返ってみると、急激な拡大をした活動は優秀な指導者は推進者を育てる間もなく、その目指す手段が目的に変わってしまい、活動することや認証することが目的になってしまった
ISOで効率的で有効な組織管理体制を維持改善し、QCで製品や生産方式の維持改善を図るべきであるが、QCとISOのおのおの推進する人々は他の仕組みを軽視している
お互いが補完しあってどのような変化にも対応できる強い組織力となりうる


今これらの品質管理活動に新しい流れが出ようとしている「見える化」である
この「見える化」の概念はまだ確率されているものではないが、多くの組織で試行されて成果を上げてきている
製品製造に関わる管理と組織運営をする管理を「見える化」によって気づかせ、改善や是正を実施しなければならないように仕向ける自立的な活動といえる
「見える化」が進むと明らかに管理するためのリソースが減少され管理コストの大幅な減少となる
生産や組織運営に関わる管理コストが改善されるのである

ひどすぎるトヨタのリコール問題

最近トヨタがリコールやブレーキなどの問題で世界中を騒がしている
品質管理に関係してセミナーや指導をしている一人としてたいへん興味深く推移を見守っているが、トヨタの対応には何か釈然としない物が多い
何故対策や経緯の発表が問題発覚してからに週間も経過しているのに無いのか、危機管理対応としても品質管理としても全く落第である
先ず、きっちっとした経緯と原因の情報開示ととりあえずの応急処置を発表して消費者の不安を除去しなければならないことは、マネジメントの基本事項である
これまでトヨタは品質管理の優秀さと生産管理のすばらしさで、その実力は世界一であると思われていたが全く幻想であったことは残念である
トヨタも只の組織であって実は顧客第一、マーケットインの思考では無いことを世界中に示してしまった損失は大きい

特に一昨日のトヨタの横山常務からのブレーキに関する発表、昨日のトヨタの社長のプレスリリースはお粗末そのもので、ますます不信感を増長させるもので更に事態を悪くする
プリウスのブレーキ問題に関しても説明はあくまで運転者の感覚の問題であると説明したが、まったくプロダクトアウトの説明で、今までトヨタ式品質管理を実施してきたというカスタマーに対する配慮はどこに行ったのか、顧客の感覚を大切にしない経営は自らを否定するものである
技術的な背景や、何故そのような感覚になるかの原因や、その後実施した変更についての明確な説明はなく、改善の結果であるという人を食った説明はあまりのひどさに開いた口が閉まらない

またせっかくトヨタの社長が緊急会見を開いたのに、具体的な対策や応急処置や対応が遅れた理由などは説明はなくさらなる不信感が増してしまった
何故ののようなお粗末な会見を開いたのか、なぜこれだけの時間をかけながら結論が出ないのか、組織内部にある問題はちょっとそっとの問題ではないことが推察できる
これがトヨタの技術最高責任者の発言であるとは、トヨタ式品質管理には基本的な品質管理の考えもさえも存在せず、組織のマネジメントもたいへん貧弱であったことが露呈した
品質管理はあまり詳しくないと思われる前原国交省から”顧客からの視点が抜けている”と品質コンサルタントからのように指摘を受けるトヨタの品質管理は何であったのか
一般的な常識さえも持ち合わせていなかったこの内容は、トヨタの品質管理は素晴らしいと賞賛していた人たちの失望は計り知れないであろう
この品質や顧客満足の問題が、雪印事件やタイガーウッズの問題などと同じように、とことん最後まで落ちるとこまで落ちないことを祈るばかりである

トヨタの品質管理は世界一であると豪語し、トヨタ式経営がもてはやされ、トヨタ式の品質管理コンサルタントが多くの組織を指導しているが、道路やトラックを倉庫代わりにするジャストインタイムや、今までQCやISO9001で使われている手法や仕組みなどの呼び名を少しかえて、トヨタ独自の手法であるかのよう仕掛けには少し疑問があったが、トヨタの体質がやはり閉鎖的で排泄的なことがこの問題からも伺える
今までトヨタはISO9001等の品質マネジメントシステムも、TQMなどの総合的品質管理の仕組みや考え方も、トヨタ式品質管理のほうが更にその上をゆくとして独自の品質マネジメントを主張していたが、その内容は独りよがりで井戸の中の蛙であったようだ
日本の生産管理における品質管理の優秀さが幻想であったかのように世界中に浸透させた今回の対応は日本の産業界の大きな損失である

日本のもの作りの優秀さは、世界中で認められていることであるがその多くは現場力のたまものであり、現場第一線で働く人々が日本人独特のさ勤勉、まじめ、前向きなどの特質により成り立っていて、経営をするマネジメントの優秀性ではないことは一般的な定説であった
日本式の経営が優れているのではなく、日本の労働者や現場管理者が優れている特質を持っていたというべきであるが、今や労働者は派遣や海外の研修生に取って代わり、管理者は真の部下を持たない逆三角形の組織体制の中で発言力とモチベーション失い、世襲やなれ合い依怙贔屓が蔓延って真の組織活性化を失ってきているのか

マメネジメントの質を研鑽し組織の透明化を図りオープン化して行くことによって組織の”見える化”することを忘れてしまったトップマネジメントの起こした大罪であろう
今の社会は隠蔽体質や情報開示を怠る組織は許されないことを肝に銘ずるべきである
業績の好調さに理念を忘れ、自分たちの優秀であるという奢りと傲慢さが背景にあるような気がしてならない

管理なき管理状態

組織内にマニュアルや規定及びチェックシートなどが氾濫し、管理のための管理をしている仕組み(システム)を運営して、管理のための記録類(チェックシートなど)を作成し報告することが管理することだと間違っていないだろうか

あるべき姿として複雑なマニュアルや良く理解できないような難しい手順書や規定は無くても、自らが実施すべき内容を自覚して自律的な活動することによって管理なき管理状態に仕組みを構築することが望ましい
そのシステムの構築に大きな役割を果たすべき内容が『見える化』である

『見える化』が具体的にどのように自律的な活動を構築するか次回の事例で説明してゆく

新しい管理活動の動き「見える化」

見える化活動とは

見える化活動とは

情報の共有化
すべての実態をすべての人にさらけ出すこと
嘘をついたり隠蔽をしないこと
共通の認識
それぞれお互いにその中から課題(過去・現在・将来)をえぐり出すこと
各課題を5W1Hで問題を解決してゆく
何を(What) 何のために(Why) 誰が(Who)  いつまでに(When) どこで(Where) どのように(How)

仕事のプロセスを明らかにする(見える化する)ことで、そのプロセスの量や質が見えてくる
悪いところが自然に目立つようになる・・・・「問題の顕在化」を促進する

2009/05/22 QMACセミナー 日野自動車 蛇川相談役 講演から