目標の設定

目標の設定には二つの考え方がある

■目標達成型

目標を具体的に設定して文字通り達成する

一般的に数値でピンとくる目標が多くない

営業成績や、売り上げなどは目標値として数値化できるが、この目標も外部要因などの変動係数が多く、未達成(不適合)としても対策が明確にできないものが多い

目標値には、達成のための要因を明確にできる目標値でなくてはならない

目標には定量的な目標と定性的な目標がある

 

■価値観重視型

良い仕事をしたいとか、何かの価値を高めたい、行動をしたい等数値目標とはなり得ない活動が多い

測定が難しいので評価ができないことが多い

その行動は何で評価するかをよく考えて、目標値を設定する

価値があるということは何を指すのか、論理的な思考ができなければ目標にはなり得ない

VOC(Voice of Customer)の解析

顧客ニーズはアンケートなどを使って収集し品質改善及び企業経営の使用として重要であるが、その収集方法が難しく、その解析も簡単ではない
収集するのは言語データであり、5段階評価などで数値化したとしても、評価者の官能値によるばらつきが大きく解析によっては結論が異なる
言語データを収集し、原始情報として要求品質に変換して構造化するツールとして品質機能展開(QFD)が役に立つ

VOCの収集には顧客の要求を聞くのではなく

  • 顧客の購買データから顧客ニーズを把握
  • 顧客の過去の購買履歴から顧客ニーズの推測
  • 製品のメンテナンス使用状況によって顧客ニーズに応える

Voiceは大きく二つに分類される

  • 言語によるVoice
  • 顧客行動を観察することによるVoice

顧客ニーズを把握するためのコミュニケーション

  • 言語によるコミュニケーション
  • 非言語(ノンバーバル)によるコミュニケーション、ボディランゲージともいう
    • 顧客の表情や態度から読み取る

2011/11に沖縄で品質月間特別講演をします

第52回 品質月間特別講演会 那覇会場
日時: 2011(平成23)年11月25日(金)  15:00~16:30
場所: 沖縄産業支援センター3F302.303 沖縄県那覇市字小禄1831-1(TEL:098‐859‐6234)

講演テーマ: 「見える化」で会社の運営・管理を変える

不確実で市場のグローバル化によって、会社は意志決定の早さと、魅力的で競争力のある製品を提供できなければ、事業活動が継続できない時代となった。
この時代で生き残るには、多くの会社で改善が進んでいない、非効率な運営・管理の方式を「見える化」のキーワードで活性化し、柔軟性に優れ、効率的で透明性の高い組織構造に変化させねばならない。
「見える化」のキーワードは、“問題が見える”、“プロセスが見える”、“結果や成果が見える”、“組織能力が見える”、“顧客が見える”、“経営が見える”など、多くの「見える化」するための目的があり、その目的を達成するために、「見える化手法」を組み合わせて業務改善を進めて行くことになる。

これからの管理オペレーションをITで考える

これからの組織の管理オペレーションには、ITを中心としたあらゆる要求に適合できる、スケーラブル(伸縮自在)なシステムが必要であるが、現実にはITの仕組みには変化は感じられない
この管理の範疇は、会計システムや売り上げ管理などの数値を主に扱うシステムではない
マネジメントを行って行く為に必要な、言語系(指示・命令・記録・確認・結果・分析)の管理システムであるが、結果や分析には当然ながら統計解析などの数値は含まれてくる
しかしこれらの数値は会計システムのような画一的なものではないことは、言うまでもない
管理の仕組みは経営者によって重要な部位が変化し、社会構造によっても変化する
イメージとしているのは、WordPressやTwitter,FaceBookのような、構造が要求によって自在に変化するSNS(Social Network Service)のような管理システムである
これらを組織のネットワークと組み合わせて、管理システムとして運用できれば、現在組織にいるホワイトカラーや事務職は60%以上削減可能であろう
これからの組織がなすべきことは管理コストの削減による、グローバルな競争に勝ち抜くことである
製造業の多くにおいて直接精算に従事している人数は非生産要員との人数を下回っていることは珍しくない
現場の要員のコストは絞りに絞りもうこれ以上に下がらなくなってきている。これからは管理組織である、非生産要員のコストを削減を目指すべきである
管理コストを下げて、管理品質を高度化した、新しいITシステムの構築が望まれている
経営者は、管理の仕組みを大幅に変えてITを活用したオペレーションの進化を目指すべきと考える
しかし、この管理仕組みは高度な思考と管理技術がベースに無いとうまく機能することは難しいといえる

抜取検査の統計的な意味(規準型抜取検査)

抜取検査(計数抜取検査)においては、製品のロットから、サンプル数を決めて検査を行い、何個不適合品があるかで、ロットの合格、不合格を決定します
品質の良いロットでも、すべてが合格するとはかぎりません
また品質の悪いロットでも、すべてが不合格ではなく、合格をしてしまうロットもあります

抜き取り検査には限界があり、使用するには以下の注意点があります

  • 抜取検査はある程度不適合品の混入が許せるときに適用
    同じ品質のロットでも合格になったり不合格になったりする
  • 破壊検査など全数検査が出来ないときなど
  • ロットの品質に関する情報が不足しているとき実施する
  • 悪いロットだけ選別したいとき
  • ロットの品質が安定していないので、間接検査移行には不十分な場合
  • 非常に小さい不適合率のときは、不適合品の検出が困難

規準型抜取検査 αとβ

このように抜取検査には、同じ品質のロットでも合格になったり不合格になったりする問題があります
ここで、出荷側に対する保護と受け取り側に対する保護の二つを規定し、両者の要求を満足するように組み立てた規準型抜取検査が考えられています
すなわち、 出荷側に対しては生産者危険(α)を、受取り側に対しては消費者危険(β)を、それぞれ一定の小さい値に決めて、このα、βを満足させるOC曲線を見つけ出し、OC曲線のサンプル数(n)、合格判定個数(c)を決定する検査法です
右の図のように、αとβはそれぞれ、5%(α)と10%(β)とJISで決まっています
あとは、
p0:なるべく合格させたいロットの不適合品率の上限
p1:なるべく不合格としたいロットの不適合品率の下限
を決定すれば
ロットから検査のために抜き出すサンプル数(n)と、そのサンプルから不適品が何個までは、合格させるかの個数(c)が決まります
この規準型抜取検査は、このような原理で検査するサンプル数と不適合品数によって検査します

計算はたいへんなのでJISより計数規準型1回抜取検査表が発行されています

品質管理検定(QC検定)3級の参考図書を執筆

発刊された手法編の問題集

今年の5月に話があり、夏の終わりに原稿を締め切り、11月まで打ち合わせと校正をしていた「品質管理の演習問題と解説(QC検定試験3級対応)」が、12/27発刊されることになった
日本の生産活動の低下が危惧されるこの頃において、品質管理検定(QC検定)は生産組織では注目を集めていて技術従業員の資格要件に必要不可欠となってきている・・・検定試験は9月と3月と年2回実施される
今回の本は日本の品質管理をリードする広島工業大学の久保田教授が編者となり共同で執筆し、その一部を担わしていただいた

問題集と解説になっている

(財)日本規格協会 品質管理検定

管理人が数年前まで勤務していた組織の業務とは少し違った分野であるが・・・新しい専門分野の仕事も新鮮で興味を引かれる、まだまだやれることはたくさんあるということかもしれない、良い先生と仲間に感謝

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島根原発点検不備の最終報告

中国電力島根原子力発電所1,2号機における点検不備問題においてその最終報告が中電から出された
島根原発において1160カ所の点検不備が発覚した問題で、現在運転再開の目処は立っていない
その内容は

根本原因
保守管理制度の変更に対応する仕組みがなかった
不適合が発生したときの仕組みがなかった
「報告する文化」、「常に問いかける文化」の不足
再発防止策
原子力品質マネジメントシステムの充実
社員の意識改革
原子力安全文化醸成活動の推進
具体策
不適合管理体制の見直し
組織変更、責任と権限の明確化
「課題検討会議」の設置
「原子力安全文化醸成懇談会」の設置
情報公開、住民との対話活動

中国新聞2010/06/04による

中電は過去に土用ダムの数値データ改ざん、島根原発を含む各地の発電所やダムで80件の不正・不適切事件を起こしてコンプライアンスを徹底しているはずであったが、同じような不適切な事項が見つかり、またもや同じような原因や再発防止を上げている
今回の報告も報道内容から見る限り本質的な対策とはいえない
根本原因に「仕組み(システム)不備」、「社員意識」を上げているが、これが真の原因であろうか
なぜ、システム不備や社員意識が不足しているのかその原因を探らない限り、小手先の対策ではまた再発すると考えられる
システム構築や組織風土などはトップマネジメントの責務である、何故欠けていたのかをよく考える必要がある
単に原発や出先機関の管理の問題ではない
その原因は簡単には排除できない、根の深い問題であると考える
原因の究明が的を得ていないから、その原因を除去する再発防止策や具体策のピントがずれていて、その効果にはかなり疑問がある
もう少し品質管理とは何かをよく勉強する必要があり、大きな組織としてはお粗末であると言わざるを得ない

顧客満足を考える

ISOで規定する顧客満足は要求事項を満たした程度であり、顧客が要求していることが満たされていれば良いことになる
しかし、要求事項を満たしていることは当たり前であり、顧客の感動はあり得ない
ISOで要求していることはあくまでも当たり前のことを実施することであり、感動することまでを範疇に入れていない
経営戦略の面から考えると当たり前のことを実施しているだけでは顧客は常に振り向いてはもらえない
顧客の感動まさせるまでの満足を与える必要がある、顧客の想定や期待以上に結果を出すことが要求される
一般にマニュアル化は要求事項を満足させるには役立つが、感動満足には対応できないとされている
マニュアルで対応されても感動できない(接客サービスの場合)

No1企業の競争力の源泉

トレーシーとウィアセーマは1995年に『ナンバーワン企業の法則』で、「業務の卓越性」「製品リーダーシップ」「カスタマー・インティマシー」の3つの戦略のうち、どれか1つを選択、実行する必要があると示した

Operational excellence:業務システムを競争上の優位性にまで徹底的に磨き上げている状態
オペレーショナル・エクセレンスを確立した企業では、常により良いオペレーションを追求しようという考え方が現場の末端まで浸透し、継続的なオペレーションの進化を可能にする仕組みが ナきている
Ex:トヨタやフェデックス、マクドナルド
Product innovation:革新的な新製品を開発して、差別化を図る
他社にはない画期的な製品や商品を開発できる商品企画力がある
またProccess innovationという考えもある
Ex:ソニー、アップル
Customer intimacy:顧客と親密な関係を築き、関係を強固にすることで顧客を囲い込み、戦略的優位性を構築する考え方
ここの顧客のニーズに対応し。最高の顧客サービスを提供する
Ex:生命保険、

新しい品質管理活動の動き

日本における産業界の品質管理活動は1970年代から盛んになったQC活動によって、世界に冠たるメイドインジャパンを確立した
その活動は全員参加による統計的な手法を活用した改善活動であったが、現場第一線が主体であり、日本独特の強い現場力の基礎を構築した
しかしながら組織管理者及び経営者に対しての管理活動は方針管理手法などが存在したが、形骸化が激しく実にあるものとはなり得なかった
経営者は第一線が活動しておれば良いという考えが主流であり、多くはボトムアップの御輿経営に甘んじていた
品質管理活動はQCからTQCと変わってきても、活動内容はさほど変わらず、デミング賞の受賞のために大手組織はコストと人をつぎ込んだ
これらの活動によって品質管理とは何かという基礎が構築されたが、あまりにやらせ要素の強いQCサークルや診断のために、活動を停滞させたり停止する組織が多くなった
現場第一線は活動していても管理者や経営トップは具体的な活動に見切りを付けていた危機感からTQCはTQMと名前を変更して、新しいマネジメントの活動に変化させようと試みたが、今までの活動の整合性とマネジメント実施活動がスローガン的な手法のため活性化することにはなり得なかった


TQMに名称が変更された1995年頃から、海外進出している組織を中心に品質保証の規格ISO9001:1994が日本でも導入が盛んになってきた
ISOのマネジメントシステムはTQMと目指している方向は同じであるが、その方法が異なっている
TQMは製品品質を改善してゆく活動である、そのための多くのツールがあり継続的に製品や生産体制を改善してゆく
ISOは組織管理を体系的に構築して、組織管理活動の改善を目指している、その手法については要求事項にはなっておらず、組織が組織管理をするために必要な事項を”しなければならない(~Shall)”と規定している
組織管理であるから管理者や経営者が主体となって実施するトップダウンの仕組みといえる
ISOも世界的グローバルに活動する組織にとっては認証が条件となってきた
また日本においても官庁を中心に入札条件しようとする動きがあり、建設業界を中心に産業界においても急速に広がった
しかしISOも規格を中心とした認証は不要な文書化を増大させてしまった
当時のISO推進者やコンサルタントは規格を知っているが、組織経営を知っている人材は少なく、何でもかんでも記録と文書化を強要し形式化した仕組みを要求した
1994版の規格の内容にも問題があり2000版では大幅な変更があり、効率的で有効性の高いシステム構築を目指す内容となった
2008版ではさらにその考えが整理されパフォーマンス向上を目指す新しい規格への石杖となってきた
しかし、1994版時代のISOバルブは力量の不足した審査員やコンサルタントにより、多くの組織で無意味な文書化や記録の増大による書類の氾濫と、構築した仕組みの形骸化を招いて、多くの組織がISO認証を辞退することを招いた


品質管理活動を振り返ってみると、急激な拡大をした活動は優秀な指導者は推進者を育てる間もなく、その目指す手段が目的に変わってしまい、活動することや認証することが目的になってしまった
ISOで効率的で有効な組織管理体制を維持改善し、QCで製品や生産方式の維持改善を図るべきであるが、QCとISOのおのおの推進する人々は他の仕組みを軽視している
お互いが補完しあってどのような変化にも対応できる強い組織力となりうる


今これらの品質管理活動に新しい流れが出ようとしている「見える化」である
この「見える化」の概念はまだ確率されているものではないが、多くの組織で試行されて成果を上げてきている
製品製造に関わる管理と組織運営をする管理を「見える化」によって気づかせ、改善や是正を実施しなければならないように仕向ける自立的な活動といえる
「見える化」が進むと明らかに管理するためのリソースが減少され管理コストの大幅な減少となる
生産や組織運営に関わる管理コストが改善されるのである

ひどすぎるトヨタのリコール問題

最近トヨタがリコールやブレーキなどの問題で世界中を騒がしている
品質管理に関係してセミナーや指導をしている一人としてたいへん興味深く推移を見守っているが、トヨタの対応には何か釈然としない物が多い
何故対策や経緯の発表が問題発覚してからに週間も経過しているのに無いのか、危機管理対応としても品質管理としても全く落第である
先ず、きっちっとした経緯と原因の情報開示ととりあえずの応急処置を発表して消費者の不安を除去しなければならないことは、マネジメントの基本事項である
これまでトヨタは品質管理の優秀さと生産管理のすばらしさで、その実力は世界一であると思われていたが全く幻想であったことは残念である
トヨタも只の組織であって実は顧客第一、マーケットインの思考では無いことを世界中に示してしまった損失は大きい

特に一昨日のトヨタの横山常務からのブレーキに関する発表、昨日のトヨタの社長のプレスリリースはお粗末そのもので、ますます不信感を増長させるもので更に事態を悪くする
プリウスのブレーキ問題に関しても説明はあくまで運転者の感覚の問題であると説明したが、まったくプロダクトアウトの説明で、今までトヨタ式品質管理を実施してきたというカスタマーに対する配慮はどこに行ったのか、顧客の感覚を大切にしない経営は自らを否定するものである
技術的な背景や、何故そのような感覚になるかの原因や、その後実施した変更についての明確な説明はなく、改善の結果であるという人を食った説明はあまりのひどさに開いた口が閉まらない

またせっかくトヨタの社長が緊急会見を開いたのに、具体的な対策や応急処置や対応が遅れた理由などは説明はなくさらなる不信感が増してしまった
何故ののようなお粗末な会見を開いたのか、なぜこれだけの時間をかけながら結論が出ないのか、組織内部にある問題はちょっとそっとの問題ではないことが推察できる
これがトヨタの技術最高責任者の発言であるとは、トヨタ式品質管理には基本的な品質管理の考えもさえも存在せず、組織のマネジメントもたいへん貧弱であったことが露呈した
品質管理はあまり詳しくないと思われる前原国交省から”顧客からの視点が抜けている”と品質コンサルタントからのように指摘を受けるトヨタの品質管理は何であったのか
一般的な常識さえも持ち合わせていなかったこの内容は、トヨタの品質管理は素晴らしいと賞賛していた人たちの失望は計り知れないであろう
この品質や顧客満足の問題が、雪印事件やタイガーウッズの問題などと同じように、とことん最後まで落ちるとこまで落ちないことを祈るばかりである

トヨタの品質管理は世界一であると豪語し、トヨタ式経営がもてはやされ、トヨタ式の品質管理コンサルタントが多くの組織を指導しているが、道路やトラックを倉庫代わりにするジャストインタイムや、今までQCやISO9001で使われている手法や仕組みなどの呼び名を少しかえて、トヨタ独自の手法であるかのよう仕掛けには少し疑問があったが、トヨタの体質がやはり閉鎖的で排泄的なことがこの問題からも伺える
今までトヨタはISO9001等の品質マネジメントシステムも、TQMなどの総合的品質管理の仕組みや考え方も、トヨタ式品質管理のほうが更にその上をゆくとして独自の品質マネジメントを主張していたが、その内容は独りよがりで井戸の中の蛙であったようだ
日本の生産管理における品質管理の優秀さが幻想であったかのように世界中に浸透させた今回の対応は日本の産業界の大きな損失である

日本のもの作りの優秀さは、世界中で認められていることであるがその多くは現場力のたまものであり、現場第一線で働く人々が日本人独特のさ勤勉、まじめ、前向きなどの特質により成り立っていて、経営をするマネジメントの優秀性ではないことは一般的な定説であった
日本式の経営が優れているのではなく、日本の労働者や現場管理者が優れている特質を持っていたというべきであるが、今や労働者は派遣や海外の研修生に取って代わり、管理者は真の部下を持たない逆三角形の組織体制の中で発言力とモチベーション失い、世襲やなれ合い依怙贔屓が蔓延って真の組織活性化を失ってきているのか

マメネジメントの質を研鑽し組織の透明化を図りオープン化して行くことによって組織の”見える化”することを忘れてしまったトップマネジメントの起こした大罪であろう
今の社会は隠蔽体質や情報開示を怠る組織は許されないことを肝に銘ずるべきである
業績の好調さに理念を忘れ、自分たちの優秀であるという奢りと傲慢さが背景にあるような気がしてならない

抜取検査の統計的な意味(二項分布と確率累積曲線そしてOC曲線)

一般に良くサンプルを抜き取って検査をして合否を判定しているが、この合否判定(計数抜取検査)の統計的な根拠を考える
この統計的な考えは、戦後、日本の産業界にQC(Qulity Control)を広めたジュラン博士が説明したことで有名な話である
白い球900個の中に赤い玉を100個入れてよく混ぜてから、無作為に40個取り出すと赤い玉は何個あるのでしょう
このたとえ話は赤い玉は不適合品(不良品)ということになります
1000個で100個の不適合品ですから、100/1000=10%の不適合品率(不良品率)ということになります
さて最初の問題ですが、40個取り出した玉(サンプル)に赤い玉は、40個×10%=4個でしょうか?


答えは0個~40個の間というのが答えになります
可能性としては0個の時も40個の時も考えられます
しかし40個の確率はかなり低いと考えられます
4個の確立が一番高いのですが、各個数によって確率が異なります
この確率を算出するのが二項分布といわれている計算です


計算式はめんどくさいのでExcelの関数で計算しましょう
二項分布の確率関数の値を計算するBINOMDIST関数です
=BINOMIDST(成功数,試行回数,成功率,関数形式) c:成功数—赤い玉が出た個数 n:試行回数—取り出した数量、サンプル数 p:成功率
不適合品(赤い玉)が出る個数の確率は
赤い玉が0個 BINOMIDST(0,40,0.1,fales)=0.01478=1.48%の確率
赤い玉が1個 BINOMIDST(1,40,0.1,fales)=0.06569=6.57%の確率
赤い玉が2個 BINOMIDST(2,40,0.1,fales)=0.14233=14.23%の確率
赤い玉が3個 BINOMIDST(3,40,0.1,fales)=0.20032=20.03%の確率
赤い玉が4個 BINOMIDST(4,40,0.1,fales)=0.20588=20.59%の確率
赤い玉が5個 BINOMIDST(5,40,0.1,fales)=0.16470=16.47%の確率
赤い玉が6個 BINOMIDST(6,40,0.1,fales)=0.10675=10.68%の確率
赤い玉が7個 BINOMIDST(7,40,0.1,fales)=0.05761=5.76%の確率
赤い玉が8個 BINOMIDST(8,40,0.1,fales)=0.02640=2.64%の確率
赤い玉が9個 BINOMIDST(9,40,0.1,fales)=0.01043=1.04%の確率
赤い玉が10個 BINOMIDST(10,40,0.1,fales)=0.00359=0.36%の確率
・・・・・・・
赤い玉が40個 BINOMIDST(40,40,0.1,fales)=0.00000=0.00%の確率


ピンク色が不適合率10%の確率の曲線

このことから合否判定をするために10%の不適合品率の品物の1000個のロット中から、サンプルを抜き取ったときに
0個の1.48%
1個に6.57%
2個の14.23%
不適合品が2個までならば合格とすると
0個+1個+2個の確率の合計となり22.28%の確率でロットは合格することになります
0個の時に合格とすると
1.48%の確率でしか合格しない・・・すなわちほとんどのロットは不合格になると言うことです

それでは不適合品率を半分の5%に改善するとするとどうでしょうか
BINOMIDST(0,40,0.05,fales)=0.12851=12.85%の確率で合格します
さらに改善して不適合品率を1%にすると
BINOMIDST(0,40,0.001,fales)=0.66897=66.90%の確率で合格します
究極の改善をして不適合品率を0.1%にするとどうなるのでしょうか
BINOMIDST(0,40,0.0001,fales)=0.96077=96.08%の確率で合格し・・・ほとんどのロットが合格することになります
しかし不適合品率を0.1%まで向上させても100%-96.08%=3.92%の確率でロットは不合格となります


累積確立曲線(適合率p=10%のサンプル数n=40の中に不適合品c=2があるときの合格率)

今まではExcelのような便利な関数が無かったので、累積確率曲線でロットの合格率を算定していました
X軸にnp(n:サンプル数×p:不適合率) Y軸に確率 各、判定する不適合数(c)を斜めの曲線で表示しています
左から0、1、2・・・・と続きます 上記の例ですとc:判定個数=2、n:サンプル数=40、p:不適合率=0.1とすると np=40×0.1=4 X軸の4(np=4)を垂直にあげてc=2の曲線に接したら横に移動して確率を読むと22.28%と読むことが出来ます


ここで問題です ロットの大きさ2000の部品の購入検査を、n=100、c=1で実施して、ロットの不良率がp=4.0%のときに、このロットが合格する確率を求める BINOMIDST(0,100,0.04,fales)=0.01687 BINOMIDST(1,100,0.04,fales)=0.07029 合計 0.01687+0.07029=0.087163≒9% 9%の確率でしか合格しない このように累積すれば答えを出すことが出来ますが、少しめんどくさいのでfalseをtrueにすることによって、累積確率となります
BINOMIDST(1,100,0.04,true)=0.087163≒9%


サンプル数と合格判定個数を一定にして、不適合品率(X軸)、合格率(Y軸)

OC曲線(Operating Characteristic Curve)
n(サンプル数)とc(不適合品数)を固定して、不適合品率(p%)を横軸に変動させたグラフをOC曲線と言います
この曲線で不適合品率4.0%から垂線を上げて、曲線の接点の水平に移動して縦軸の確率を読むと9%と読めます
このOC曲線ならば不適合率に対して合格する確率が一目で確認できます
不適合品率が低くなれば合格する確率は高くなりますが、良い品質のロット(たとえば1%)でもすべて合格はしません
また、反対に悪い品質のロット(たとえば6%)でも合格するロットはあります
これが抜き取り検査の限界といえます
ロットの中に不適合品があるからといって本当に品質が悪いかどうかわかりません、あくまで確率の問題です

分散分析

統計的品質管理で使われるツールに分散分析がある
分散分析の計算方法は複雑で手間がかかっていたが、Excelでは分析ツールを使うことでたやすく答えを出すことが出来る
Excelで計算可能な分散分析には一元配置と二元配置があり、二元配置には繰り返し無しと、繰返しありがある
分散分析はどのような使い方をするかというと、ある現象をサンプルで確認するときに、その結果は何の因子(要因)で変化するのかを導き出す手法といえる
開発などにおける実験結果の分析や統計的現象の原因を究明するのに役立つ手法である

一元配置の分散分析
サンプルのデータが一つの因子で左右されると仮定して分析する、繰返しデータを採取して、因子を変えることによって結果に影響を及ぼすか否かを調べる
二元配置の分散分析(繰返し無し)
サンプルのデータが二つの因子で左右されると仮定して分析するが、二つの因子によるデータはマトリックスに表現される
二元配置の分散分析(繰返しあり)
サンプルのデータが二つの因子で左右されると仮定して分析するが、どちらかの因子は何回か繰返しをしてデータを採取する、このことにより二つの因子が相互作用(お互いに影響し合う)があるかどうかも分析できる
多元配置
特性に影響を与えると考えられる因子を三つ以上取り上げて効果の有無を調べる手法である
この多次元配置はExcelの分析ツールでは計算できない

これらのように一元配置実験、二元配置実験、多次元配置実験を総称して要因実験という
多次元配置実験で解析するにはデータの実験を数多くしなければならないようになる
これらを効率よく実験回数を減らすのが直交配列の実験計画である

分散分析の統計的手法の原理
因子別に採取したサンプルのデータ値を因子の効果による値と誤差による値とに分解して、因子による効果の偏差と誤差による偏差の不偏分散を算出し、不偏分散比(F値)を計算してそのF値がF分布の棄却域に入れば、因子が変化してもデータは同じであるという帰無仮説(H0)は破棄され、同じではないという対立仮説(H1)が成立する

自由度2、21のF分布グラフ

自由度2、21のF分布グラフ

ここで分散比(F値)は自由度1(因子の数-1)、自由度2(因子の数×(繰返し数-1))にしたがうという法則により判定される
一般に5%の棄却域が使われる
F分布に関するExcelの関数
FDIST:F確率分布を返す  FDIST(不偏分散比,自由度1,自由度2)
FINV:F確率分布の逆関数を返す FINV(確率,自由度1,自由度2) 確率には0.05が使われる FINV(0.05,2,21)=3.4167 となる

分散分析一元配置の事例で説明してみる

繰り返し 肥料A 肥料B 肥料C 1 7.66 6.19 7.22 2 5.67 6.99 9.21 3 4.82 7.8 7.53 4 7.36 6.73 6.21 5 6.36 5.26 6.91 6 4.21 5.79 7.4 7 5.61 8.13 6.94 8 6.76 5.12 9.66 平均 6.056 6.501 7.635 6.731

改善の着眼点 ECRS

組織の見直しや工程の改善をするときに着眼点としてECRSを考慮すると良いと言われています

E:Elimination 排除できないか、止めることは出来ないか
C:Combination 結合できないのか、一緒に出来ないか
R:Replacement 置換できないか、他のものに役割を預けられないか
S:Simplification 簡素化できないか、シンプルに出来ないか

このキーワードによって現状を見直しより良い方法を検討します

t分布とは

t分布

図-1 t分布

統計的品質管理ではt分布を使って検定や推定を行なう
このt分布は何を示しているかというと、ある母集団と、とられたサンプルのデータから平均値が差があるか無いかの検定(母平均の検定という)をするときに、母集団の標準偏差(σ)が既知であることには、その正規分布を使ってZ検定をおこなう
また母集団の標準偏差(σ)が分っていないときは、サンプルの標準偏差(s)からt分布を使ってt検定をおこなう

多くの場合には母集団の標準偏差は分らないことが多いため、t検定が現実的であるといえる
t分布は自由度(φ=サンプル数-1)によって分布の形が変わる、サンプル数が多くなれば分布の山は高くなり検定の精度は上がり、サンプル数が少なければ山は低くなり検定の精度は低くなる
これは検定に使うt値はサンプルから得られた標準偏差(s)を使うため、サンプル数が増えれば標準偏差の精度が上がるために当たり前であるといえる
サンプル数が無限に増えて行けば正規分布と同じとなるため、t分布での検定はサンプル数がn<100で行い100以上になったときは正規分布を使ったZ検定で実施する

t_bunpu_P002

図-2 t値から算出されるP値(確率)

t分布におけるt値(分布の水平軸の値)が分れば、t分布表やExcelの関数で分布の中心からt以上離れた値が出る確率(P値)を出すことが出来る
ただし注意しなければならないのは、この時算出されるP値は分布の両裾の値の合計であり、片側だけ検定するときはP/2する必要がある

t分布表

図-3 t分布表

t分布表(図-3)ではP値(確率)自由度(φ=サンプル数-1)からt値を算出する
Excelにおいてt分布に関するの関数は二ある

サンプル数とP値(確率)からt値を求めるにはTINV関数を使う
t=TINV(確率,自由度)
例えばP(確率)=0.01で φ=10の計算をすると
t=TINV(0.01,10)= 3.169262・・・と算出される
図-3のt分布表の数値はt=3.169である
上の事例とは逆にサンプル数とt値からP値(確率)を求めるTDIST関数
P=TDIST(t,自由度,尾部)
尾部=1:片側の確率を算出
尾部=2:両側の合計の確率を算出(図-2の場合)
例えばt値=2.764で φ=10の計算をすると
P=TDIST( 2.764,10,2)=0.01992・・・であり図-3t分布表から算出されるP=0.02とほぼ同じ数値となる

正規分布での累積分布のNORMDIST関数

Excelにおいて正規分布の確率密度関数、累積分布関数の関数がNORMDIST関数
NORMDISTはNormal Distributionの略である
累積確率=NORMDIST(xの値,平均,標準偏差,関数形式)
正規分布の平均(μ)、標準偏差(σ)、においてx値での確率を計算する

関数形式=TRUEの場合

NORMDIST(x,μ,σ,TRUE)

NORMDIST(x,μ,σ,TRUE)

関数型式=FALSEの場合

NORMDIST

NORMDIST(x,μ,σ,FALSE)

逆に確率(P)からx値を計算する関数がNORMINV関数である
x=NORMINV(確率,平均,標準偏差)

正規分布の平均(μ)、標準偏差(σ)、において確率(P)からx値を計算する

NORMINV(P,μ,σ)

NORMINV(P,μ,σ)

検定(TEST)とは

両側検定

両側検定

計量値の検定では、サンプルから得られたデータがある母集団と同じであるか否かを調べるために、仮説(hypothesis)を設定してその仮説が成り立っているかどうかを問うことであり、その仮説には二つの仮説を立ててどちらの仮説がもっともらしいか確率で判断する
二つの仮説とは帰無仮説(null hypothesis)と対立仮説(alternative hypothesis)である
具体的には帰無仮説が正しいと仮定してサンプルから得られたデータが母集団で発生する確率を計算し、確率が小さい場合には帰無仮説を否定する、すなわち帰無仮説を破棄する
このことを統計的に表現すると棄却域(R:rejection region)に入り有意であり帰無仮説を棄却するという
また確率が小さくなかったときは、受容域(acceptance region)の範囲に入り、帰無仮説を破棄できなかったといって、対立仮説が成り立っていることを意味する
対立仮説は1の記号で表す
この確率の計算には母集団の正規分布から一般に5%(有意水準または危険率と呼ばれαで表す)の確率に入るかどうかを検定することになる

帰無仮説は ”できたら破棄したい仮説”という意味を込めたネーミングであると言われていてH0の記号で表現する
すなわちその仮説を捨てること(破棄する)に意味があり、捨てることを期待している仮定であるといえる
帰無仮説は常に検定するサンプルのデータと母集団のデータは等しいと仮定して、そのサンプルの検定統計量(T)が有意水準(α)で設定された破棄域には入り、検定するデータが等しくないということを期待することになる
破棄域に入らず帰無仮説が成立しないときは、対立仮説は”等しいとはいえない”として成立しする

検定の手順

  • 仮説(H0)・対立仮説(H1)・有意水準(α)を設定する
  • サンプルを抽出する
  • サンプルの平均と標準偏差を計算する
  • 検定統計量(T)の値を計算
  • 有意水準(α)から設定された棄却域の値とT値とを比較する
  • T値が棄却域に入り帰無仮説が破棄できるかどうか判定し結論を導く

統計的検定の種類

  • 1標本:1集団の検定
    母平均の検定
    母平均の検定にはZ検定とt検定大きく分類される
    母平均の検定の計算

    母平均の検定の計算

    母比率の検定
    ****
    母分散の検定
    ****
  • 2標本:2集団の検定
    母平均の検定
    ****
    母比率の検定
    ****
    母分散の検定
    ****

自由度

品質管理の統計的手法において使う自由度の意味はなかなか分かりにくい
色々な説明があるが、あまり専門的な統計学になると理解できなくなる
統計学における自由度( Degree-of-freedom)の定義をいくつか集めてみた

  • 自由度は平方和に独立な誤差の2乗和が何個含まれているかを示す値である
  • 変数のうち独立に選べるものの数、すなわち、全変数の数から、それら相互間に成り立つ関係式(束縛条件、拘束条件)の数を引いたものである
  • ケース数 n の標本を k 個のカテゴリーに分割する場合,k-1 個のカテゴリーには任意のケースを割り振れるが,残る 1 カテゴリーに割り振れるケース数は必然的に定まる。すなわち,各カテゴリーに該当するケース数の和が n であるとういう制約条件が 1 個あるので,自由に割り振れるカテゴリー数は 1 つ減ることになる
  • n個の変数があり、そのうちにk個の条件がつけられると、自由度はn-kとなる
  • 標本の数から作業に必要な平均値の数を引いたもの

定義は分り難いですね、もう少し事例で説明してみます

母集団から6つのサンプルデータを抽出すると、このデータはお互いに何の束縛もなく自由であり、それぞれの値は自由を保障されているので自由度は6といえます
ここでこの6つのサンプルデータの平均をある数で決められてしまうと、5つのデータは自由に変えられますが、最後の1つは平均値を決まった数にするためには自由にかえることは出来ません
そのため自由度は6(サンプルデータ)-1(平均値の個数)=5となり、自由度はn-1となります

分散の計算において自由度n-1について考える
平方和は個々のデータと平均との差を二乗し、すべてを合計した値であり、この平方和をデータの個数で割った値が分散である
この場合は各データの平均値が1つ決まっているので、n-1ということになる
このデータ数(n)で割る時に自由度n-1を使うが、その理由は数学的に以下の証明式となる
jiyuudo

見える化活動とは

見える化活動とは

情報の共有化
すべての実態をすべての人にさらけ出すこと
嘘をついたり隠蔽をしないこと
共通の認識
それぞれお互いにその中から課題(過去・現在・将来)をえぐり出すこと
各課題を5W1Hで問題を解決してゆく
何を(What) 何のために(Why) 誰が(Who)  いつまでに(When) どこで(Where) どのように(How)

仕事のプロセスを明らかにする(見える化する)ことで、そのプロセスの量や質が見えてくる
悪いところが自然に目立つようになる・・・・「問題の顕在化」を促進する

2009/05/22 QMACセミナー 日野自動車 蛇川相談役 講演から

目的と手段

目的へ到着するにはn目標を設定して確実に達成するための具体的な実施事項を設定する必要がある
実施事項はいろいろな手段によって実施されることになる
例えば計画を策定する、記録をとる、実施内容を集計する、教育・訓練をする・・・・などである
手段は目的を達成するためにすべき内容なのであるが、多くの組織においては知らない間に本来の目的が薄れ、手段が目的に変わっていることがある
特に間接部門や管理部門にその傾向は強く、何のために実施しているかが忘れられていつの間にか”集計すること”、”記録をとること”、”決められた手順で実施すること”が目的となってしまっている
目的と手段が入れ変わるとその組織においては形骸化が始まり、改善が働かない硬直化したマネジメントとなってしまう

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