審査における文書化の要求について

審査において組織に対して文書化の要求をする事例があるが、この指摘には注意が必要である
審査では業務の実態を審査することが重要であり、マニュアルや文書・手順に書いていない事項を確認検証するために現地で行なうことであることが必要である
被審査組織のマニュアルに規格要求事項が書いて無くとも、そのように計画、実施、維持、レビュー、評価などがされているか、を審査をすることが重要である
実態を審査をして適合が確認出来れば、文書化を要求されていない手順については、口頭での説明も客観的な証拠となり得る
審査で見つけた手順の文書化を要求すべきではない。不適合が存在し、その是正のために組織が手順を文書化することは当然の処置と考えるが、規格が要求する文書化された手順及び組織が必要と決定した記録を含む文書に該当しない限り、手順書がないことを指摘すべきでない
品質マニュアルの位置付けは要求事項を満たしている限り、組織の自由な考えで良く、あくまで規格要求された主旨が満たされていない場合に限って、指摘して是正を求めることになる
審査は、組織の文書を拠り所にする必要があるが、あくまで仕事の流れに沿った審査サンプリングが原則である
規格の要求する文書化された手順

適合性確認の留意点

ISOの審査及び内部監査において適合性と有効性の確認が必要となる
特に適合性の確認は基本となる項目であり、必ず実施すべき事項である

8.2.2 内部監査 a)において要求されている適合は

個別製品の実現の計画(7.1)に適合しているか
製品を製造するための計画及び手順に適合しているか
このISO9001の規格要求事項に適合しているか
規格要求として”文書化された手順”の要求、”記録”の要求及び”~Shall ensure”、”~ensure”などで対象されている項目の確認
組織が決めているQMSに適合しているか
品質マニュアルや規定類、手順書に適合しているかの確認

審査及び内部監査では適合性を確認するために多くの情報源から判断することになるが、適合性の実証責任は被監査者に要求するため結果として過度な要求をすることがある

規格要求事項では手順書や記録を要求していないにもかかわらず、実施されたことの証明や確実性には手順書や記録が必要と暗に要求する
審査員の経験からこうのようにすべきであるという思い込みから、仕組や記録などを要求する
規格で~shall(~しなければならない)、~ensure(~確実にする)などと記述されている内容の適合性を確認するために証明する記録や手順を要求する

結果として組織に過度な要求をすることになる
適合性の確認はあくまで実態として実施している内容を確認することが必要であり
なにか実態で問題が発生してるか、不具合が発生しているかで適合性を判断することが要求されている

たとえばある事例で考えてみる
”7.4.1購買プロセス”の要求事項に”組織は・・購買要求事項に、購買製品が適合することを確実にすること”の条項に対して、ある組織において確実に実施するための手順や手順書が確認できなかったといって、”~確実にするための手順書が確認できなかった”という指摘や観察事項をするべきではない
その手順が無いために実態としてどのような不具合や製品要求事項に対する不適合が発生しているかの確認がまず必要である
実態として問題が発生していないのに指摘は行き過ぎである、この組織では当たり前として出来ている内容なのかもしれない、また被監査者がうまく説明できなかったのかもしれない
ましてや7.4.1における規格では手順書などは要求していない
単に手順が無いなどと表面的な指摘や観察事項は被監査者の納得を得るのは難しい
実態で発生している問題点の原因が手順が無いとその組織が考えた結果であれば手順を制定することは意味がある